スポンサーサイト


上記の広告は1ヶ月以上記事の更新がないブログに表示されます。
新しい記事を書くことで、こちらの広告の表示を消すことができます。  

Posted by ミリタリーブログ  at 

2021年02月04日

電磁弁エアガンの作り方 電磁弁銃 自作 電磁弁エアガン ソレノイド駆動 フルオート





試作品の試射動画↓
https://youtu.be/H0SzgjPtu3M


電磁弁のエアガン作っちゃったので作り方を簡単にまとめたいと思います。
この記事を読めば誰でも、電動ガンを電磁弁化出来る!というような親切な記事にはならないかもしれませんが、大体の仕組みとか作り方はわかると思います!

是非最後まで読んで、一緒に電磁弁エアガンライフをエンジョイしましょう〜




今回ベースにしたのはE&LのAKMです。
AKMのおもかげはもはや無いですが、これに関しても後で説明します!



まず電磁弁のエアガンって何だよって話です。

電動ガンがバネでピストンを動かして、そのエアーでBB弾をとばしているのは皆さんご存知だと思います。


対する電磁弁銃は、外部ソースから得たエアーを、トリガーを引いた時にBB弾にぶつけてるだけです。


エアで押されたBB弾は電動ガンと同じように飛んでいきます。


トリガーを引いた時にだけエアーを出す、この仕事をするのが電磁弁というわけです。



電磁弁の中身です。
エアーを流したり止めたりする弁のようなものなのですが、普通の蛇口やバルブと違って

電磁弁というのは電気を流すとエアーを流し、電気
を止めるとエアーを止める、といった制御ができるのです。

その制御をするために今回はマイコンボードとMOSFETを使いました。



これはarduino というマイコンボードで、PCに接続してプログラムを書き込むことができます。

例えば、銃のトリガーを引いたらマイコンに5Vの電気が流れるようにしておきます。
さらに
マイコンから電磁弁に線を繋いで、12Vの電気をいつでも流せるようにしておきます。


トリガーを引いて、トリガーと繋がってるピンに電気が流れた瞬間、電磁弁に電気が流れるようなプログラムを書いておきます。

電磁弁は電気が流れてる間ずっとバルブ開きっぱなしです。


これではもったいないので、0.01秒間だけ電磁弁に電気を流す、というようなプログラムにしておくと、電動ガンのようにトリガーを引いた瞬間だけエアーが出る、というような動きをさせることができます。

何秒エアーを出すかといった設定も、マイコンのプログラムを書き換えれば自由に設定することができるのです。



自分が今回書いたプログラムの例↑

トリガー引いた瞬間エアー出す
この動作ならもっと短いコードでできます〜

今回arduino nanoというマイコンボードを使用しましたが、Amazonで一個300円くらいで買えるので気軽に使えると思います。

タイマー回路などでこの動きを再現するやり方もあるようですが、
後々色々カスタムすることを考えると、汎用性のあるarduino での制御がベストだと考えました。



電動ガンばらしたことがある人ならわかると思いますが、ただエアーを放出するだけではBB弾は撃てません。

BB弾をチャンバーに送るためにノズルを前後させなくては、いつまでたってもBB弾がチャンバーに入りません!

電動ガンはタペットプレートで、ギアの回転を前後運動に変換してこの装填の動作をしていますが、
電磁弁エアガンにはモーターもギアもありません。

そこで今回は電気を流すと前後運動をする電気部品である「ソレノイド」を使用します。

ソレナンダ?って感じだと思うので説明します。



ソレノイドは、
銅線をぐるぐる巻きにした筒の中に、自由に動く鉄の棒を入れたものです。

電気が流れた瞬間に、銅線ぐるぐる巻きにした筒が電磁石になって、その磁力によって中の鉄棒が前後に動く。というものです。

パワーや反応速度はソレノイドの種類によって異なるようです。

このソレノイドの前後運動でノズルを動かして、BB弾を装填しようということです。


今回使用したソレノイドは、
タカハ機工 プルソレノイド CA1257

幅はAKのフレームに収まるギリギリの大きさのものを選びました。
ソレノイドは意外とトルク弱いので、大きめのものを選択しとけば間違いないでしょう。

大きい分収めるの大変ですけどね。



仕組みをある程度説明したところで、実際の制作に入ります。

上の写真は制作途中のプロトタイプです。



電磁弁の先端に、電動ガンのノズルがつくように旋盤でスペーサーを作って、芋ネジ2本で固定してあります。

さらにタペットプレートをアルミで自作
曲げたり色々して、ソレノイドで動かせるようにしてます。

ノズルが元の位置に戻るようにスプリングを仕込めば完成です。

この状態で色々テストしていくのですが、ソレノイドと電磁弁の駆動電圧は12V

11.4vのリポバッテリーで動くか不安でしたが、12vに届いてなくても普通に動きました。

この辺は機種によって違うので、動作条件等よくチェックした方が良さそうです。

それと、arduino 単体では12Vの出力はできません!
MAXでも5Vです。


なので、5Vの電気が通った時だけ、リポバッテリーから電磁弁とソレノイドに12Vを流す。という動きをする電子部品が必要になります。


それを可能にするのがFETです。
5Vで作動するMOSFETを二つ用意しました。



FETはソレノイド用と電磁弁用の2個を配線し、熱収縮チューブで包んで絶縁しておきました。

Amazonで2個で700円くらいだったと思います〜



ここからはギアボックスを切ったり穴開けたりして、さっきの構造を埋め込んでいきます。



色々頑張ってこんな感じに収まりました。



本来電気ガンであればモーターが収まる場所ですが、電磁弁なんで当然ながら何も入ってません。

ギヤが入る部分も何もないので、配線とかセンサーとか入れとくとスペースがもったいなくないと思います。



セレクターはなんとグリップのところにあります。



中に可変抵抗器が接着されています。




つまみを回せば電気抵抗が変化していくようになってます。
こことarduino が接続されていて、
常に抵抗値を数値に変換して監視しています。

可変抵抗が
0Ωの時はセーフティ
100Ωの時はセミオート
200Ωの時はバースト
300Ωの時はフルオート

こんな感じで4ポジション用意しました。

AKの右側についたセレクターでもいいんですが、うまく組めなかったのでこの位置にしました。



Arduino はこの位置にタイラップで固定。



配線めっちゃ出てるこの部分は、可変抵抗器が5個束になったものです。
この抵抗器一つ一つの値をarduino で読み取っていて、その読み取った値を変数に変換させています。

その数字をそれぞれ
①トリガーが引かれてノズルが前進してからエアが出るまでの時間

②エアが放出される時間

③エアが放出されてからノズルが後退するまでの時間

④次弾発射までのタイムラグ

⑤バーストモードの時の発射弾数

に割り当てています。

これにより、電気ガンでは分解組み立てを繰り返さないとできないような微妙な調整が、手元で簡単にできます。

バースト数は、1から15発まで選べるようになっていて、トリガーを離した瞬間バースト動作がキャンセルされるようにしてあります。

どうせガス圧の関係でフルオートはあまり使えないと思うので、バースト多用してくことになるかなと思います。



あとはarduino の電源と、2個のFETの電源に配線して、リポバッテリー用のコネクターを取り付けます。


使ってるのは普通の三又リポ11.1vです



サプレッサーみたいな鉄の筒の中はコードと基板とバッテリーで結構パンパンです。




鉄のサプレッサーは旋盤で基部を削り出して、アセチレンであぶって青く染めてます。



サプレッサーはマイナスネジで固定してます。

中身にスポンジを仕込めば消音化できると思いますが今回は時間ないのでパスです。


アウターバレルとリアサイトブロックの間にスイッチを設置してあります。

Arduino とFETはバッテリーが刺さってる間、微量ですが常に電力を食ってます。
そのままつなぎっぱなしだとリポが干からびて死んでしまうので、
給電をシャットダウン出来るメインスイッチを設置しています。
撃たない時はここをきっとけば安心です。



電磁弁から伸びるホースはグリップまで回って下から出てます。
ここを圧縮空気が通るわけです。
ホースは普通の6mmウレタンホースです。



ボンベとワンタッチで接続できるようにミニカプラーをつけてます。



外部ソースはサンプロの74gCO2レギュレーター

こいつが出力できる圧力のMAX値でも初速がオーバーしないようにしていきます。



ソレノイドがデカすぎてトップカバーを固定する部品が取り付けられなくなったので、不便ですがマイナスネジで固定しちゃいます。

これはこれで独特でいいかも



フロントサイトはアングル切って溶接して適当に作ります。





金属の質感が黒染めで統一されていてとてもゴツいです。
いい感じです。

あとは組み立てて、微調整して完成です。

エアを繋いで、バッテリーを挿し
セレクターをフルオートにしてトリガーを引くと、カチカチとソレノイドと電磁弁が動く音がします。

ギアやモーターが回る音は一切しないので、とても静かな発射音です。

体感では、マルイの固定ガスハンドガンからトリガーとハンマーの打撃音をとった感じです。

要は、エアの射出音以外のノイズはほぼ無い



試射した時の動画(サプ有り)↓
https://youtu.be/DSkfxcsRIPA

このエアの射出音も、サプレッサをつけることでほぼカットできます。

ほぼ無音の最強エアガンがここに完成しました。

フルオートのレートは可変抵抗器を回せば調整できます。
最大でも秒間20発が限界でした。
アルミで自作したタペットプレートの抵抗をもっとなくせば、まだサイクルは上がるかもしれません。



ちなみに完成させるまでにarduino nanoのマイコンを三枚焼きました。笑

原因は充電したてのリポバッテリーを電源にしちゃったから。

自分が使ってるのはarduinoの互換品で、ついてるチップもちょっとスペックが低いものらしいです。

12V以上の電圧がかかると焼けちゃうみたいです。
充電したてのリポは余裕で12V以上あるので、それに耐えられるようにarduinoのチップを交換してあります。

今度からはarduinoの電源には5Vくらいに降圧したものを使って行きたいですね。




本当にびっくりするくらい静かで、初速も安定してます。
初速の誤差は、全て工業用の部品で組まれてるので
±0.5です。

初速のばらつきが少ないので、着弾点のばらつきも非常に少ないです。

初速は0.2gで90m/s
0.25で86m/sです。

arduinoで0.001秒単位で制御できるので、もうちょっと調整詰めれば最適な弾道になるかもしれません。

作るのに手間はかかりますが、非常に強力な電磁弁エアガン

最近ではwolverine air soft などからキットが出てるみたいなので気軽に組めると思います。

でも高いので今回自分でやってみたんですが、とても楽しいです。

電磁弁の種類やソレノイドの位置を変えたりして、いろんな電動ガンに組めそうです。

タペットの駆動を工夫すれば、サイクルもあげられるでしょう。
色んな可能性を秘めた電磁弁エアガン
是非皆さんも作ってみてください!

それではまた!

以下使用した部品 型番↓

マイコンボード↓
ELEGOO Arduino用 Nanoボード V3.0 CH340/ATmega328P、Nano V3.0互換

FET↓
Anmbest 2個セット DC 5V-36V 15A(最大30A)400WデュアルハイパワーMOSFETトリガスイッチ駆動モジュール0-20KHz PWM調整電子スイッチ制御基板モーター速度制御ランプ輝度制御

電磁弁↓
SMC VQ Series VQ21A1

ソレノイド↓
タカハ機工 プルソレノイド CA1257
  


Posted by ポンコツマニア  at 17:26Comments(6)トイガン